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今回 AdSense 広告のアクティブビュー視認可能率(以下、視認率)を向上させるため、約2ヶ月間に渡りいくつか施策を行いました。対象サイトはこちらです。
https://www.iscle.com/
もともと対象のサイトの視認率は悪くはありませんでしたが、より視認性を高めることでクリック率の改善につながるのか、収益性向上につながるかを確かめることにしました。
視認率を向上させるために行ったことはザックリ述べると次のとおりです。
● 視認率の低い広告の配置を変更する
● 著しく視認率が低くなる場所から広告を除外する
● ページスピードの改善
視認率の低い広告の配置を変更する
視認率が低くなりやすい広告の配置というのは、基本的にはヘッダー付近よりもフッター付近です。対象サイトの場合、関連コンテンツの視認率が低く、全体の視認率を下げる要因となっていました。
配置変更前はパソコン版でもモバイル版でも[コンテンツ]>[レスポンシブ広告]>[独自設置の関連記事一覧]>[関連コンテンツ]という順番でした。これを[コンテンツ]>[レスポンシブ広告]>[関連コンテンツ]>[独自設置の関連記事一覧]のように、関連記事一覧の上に関連コンテンツを配置するように変更しました。
AdSense のポリシーに引っかかるので具体的な数値を述べることはできませんが、パソコン版では視認率が約30%、クリック率が約15%向上しました。モバイル版では視認率が約2倍になり、クリック率も約90%向上しました。配置を変更するだけでも視認率がかなり改善し、収益性向上にもつながりました。
著しく視認率が低くなる場所から広告を除外する
AdSense のポリシーが変わり広告ユニットの設置数上限が撤廃されて以降、とりあえず空きスペースに AdSense 広告を設置するという方も多いのではないでしょうか?しかしそのような「とりあえず」設置している広告の場合、視認率が著しく低くないかチェックされることをお勧めします。
私も対象サイトではページ最下部にとりあえず AdSense 広告を設置していました。しかし視認率もクリック率も低く、収益性が悪い配置になっていたのです。
「空きスペースだから収益性が悪くても特に問題ないのでは?」と思われる方もいるでしょう。でも広告主の立場も考えてみてください。視認率もクリック率も低いということは、広告は読み込まれるけど見られないしクリックされない状態です。それは広告主にとっては価値が低い広告スペースになります。
もし「ここのサイトは広告を出す価値がない」と判断されれば、あなたのサイトに広告を表示させないようにブロックしてしまうかもしれません。そうなると単価が下がってしまう可能性もあります。
ですから、著しく視認率が低い広告スペースがあるのであれば、そのスペースから広告を取り除いてしまうのも一つの手です。
ページスピードを改善する
特にモバイルサイトの場合、ページスピードが遅くなることでユーザーが離脱してしまう可能性が高くなります。せっかくサイトにアクセスしてくれても、コンテンツも読まれなければ広告も見られることもなくなってしまいます。
ページスピードの改善はユーザーに快適にサイトを観覧してもらうためにも行った方が良いことなので、特にスマホからアクセスした際に遅いと感じるようであればぜひ改善を行ってください。
とは言っても、ページスピードが遅くなる原因の一つが広告です。広告は読み込みが完了するまでに時間がかかりやすいので、無駄に広告を入れているとページスピードも遅くなります。先程、視認率が著しく低いスペースから広告を除外すると記載しましたが、除外することでページスピード改善に役立つ可能性もあります。
またモバイルサイトであれば AMP への対応も検討すべきです。「AMP だと収益性が低くなるのでは?」と思われている方も多いのですが、全くそのようなことはありません。ページスピードは超早く快適にコンテンツを観覧できますし、 AdSense 広告の収益性も低くなったりしていません。
ただ AMP のページ構成等をカスタマイズできず、プラグインを入れただけの状態(デフォルトのデザインのまま)だと収益は伸びないかもしれません。ある程度通常のモバイルサイトのデザインと合わせることができれば収益は伸びる可能性が十分にあります。
対象サイトの場合、Google で AMP が導入されはじめたときから AMP に対応させていますが、プラグインを入れただけの状態でも収益は下がりませんでした。今はモバイルサイトのデザインに合わせていますが、収益性は落ちておらず良い結果を出しています。
まとめ
広告の配置を考える際、私も含め多くの方が「クリック率が高くなるには?」とクリック率ベースでお考えになると思います。しかし今回「視認率を向上させるためには?」と考えて施策を行ったことで、結果的にクリック率が向上し収益性も向上させることができました。
視認率を意識する広告主も増えているようなので、今後も視認率は重要視されていく可能性が高いと考えられます。あなたのサイトでは視認率がどのような状態なのか、改善できることはないかを是非検討してみてください。